BHQレシピ開発ガイドラインβ版
〜脳を健康にする栄養素のご紹介〜
ガイドライン 概要
BHQレシピとは
これまでブレインインパクトでは、脳科学の専門家であるBHQプロジェクトメンバーが中心となり脳の健康維持や向上に有効であることが学術的に示されている生活習慣や行動から、「楽しく無理なく脳を健康にするための18の行動指針(BHQ Actions)」を作成してきました。今回、BHQ Actionsのカテゴリの1つである「食事」について具体化し、厚生労働省や消費者庁の関連するガイドラインなどを参考にしながら、専門家が中心となり、脳の健康維持向上に向けて摂取が推奨される栄養素とその適正分量の目安を定義いたしました。
推奨される栄養素が基準以上含まれる食品を、BHQを高めるレシピ「BHQレシピ」として公開します。
BHQレシピ認定シール
・2~3カテゴリ→★☆☆
・4~5カテゴリ→★★☆
・6~7カテゴリ→★★★
ガイドライン作成の目的
科学的に脳の健康に良いとされる「BHQレシピ」を広く一般の人々に届けることで、「食べること」を起点とした、脳の健康の向上に寄与することが目的です。
BHQレシピの活用
BHQレシピ開発ガイドラインは、食品を取り扱っている企業や団体様に広く活用いただくことを想定しています。BHQレシピを通じて「食べること」をきっかけに、団体・企業・個人それぞれの立場から、食生活の中で脳に良いモノ(製品やサービス)や脳に良いコト(生活習慣や体験)について考える契機としていただければ幸いです。
BHQレシピ開発ガイドライン
栄養素の詳細説明
推奨摂取量や摂取上限量は、18~29歳男女の基準から抜粋しています。
BHQレシピは1食を想定しているため、1日を3食とした際の1食分の推奨摂取量を算出しています。
実用性を高めるために、栄養素と認知機能向上/低下に関する研究におけるエビデンスレベルがそれほど高くない(※)栄養素も含まれています。※プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験における介入試験ではなく、観察研究による比較研究など
トリプトファン
推奨摂取量:
男性:1食あたり151mg 以上
女性:1食あたり68mg以上
摂取量上限:-
関連食材例:ニシン、かずのこ、鶏卵、大豆
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版),厚生労働省, 2020年, 88-109.
※4mg/日に参照体重(男性63kg、女性51kg)を乗算。
ケルセチン
推奨摂取量:1食あたり9mg 以上
摂取量上限:1食あたり166mg以下
関連食材例:玉ねぎ
🔻出典
消費者庁, 販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠などに関する基本情報: ケル玉, 2023年
(最終閲覧日:2025/01/22)
カカオポリフェノール
推奨摂取量:1食あたり200mg
摂取量上限:-
関連食材例:チョコレート、ココア
🔻出典
日本チョコレート・ココア協会, Q6「カカオポリフェノール」は1日にどれくらい摂れば、健康によいのですか?, (大澤俊彦「高カカオチョコレート摂取による健康効果」第20回チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム(2015))
(最終閲覧日:2025/01/22)
n-3系脂肪酸
(EPA、DHA)
推奨摂取量:
男性:1食あたり0.7g 以上
女性:1食あたり0.6g 以上
摂取量上限:-
関連食材例:エゴマ油、アマニ油、チアシード、あん肝、胡桃
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-3脂質, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンB1
推奨摂取量:
男性:1食あたり0.5mg 以上
女性:1食あたり0.4mg 以上
摂取量上限:-
関連食材例:大根の味噌漬け、豚ひれ、ケシの実、ごま、舞茸
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンB2
推奨摂取量:
男性:1食あたり0.6mg 以上
女性:1食あたり0.4mg 以上
摂取量上限:-
関連食材例:レバー、のり、味噌、卵白
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンB6
推奨摂取量:
男性:1食あたり0.5mg 以上
女性:1食あたり0.4mg 以上
摂取量上限:
男性:1食あたり18mg 以下
女性:1食あたり15mg 以下
関連食材例:唐辛子、ニンニク、パセリ、 ピスタチオ、こんにゃく
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンB12
推奨摂取量:1食あたり0.8μg 以上
摂取量上限:-
関連食材例:シジミ、アサリ、すじこ、
あゆ、岩のり
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
葉酸
推奨摂取量:1食あたり80μg 以上
摂取量上限:1食あたり300μg食 以下
関連食材例:のり、パセリ、煎茶、抹茶、レバー、ワカメ
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンC
推奨摂取量:1食あたり34mg 以上
摂取量上限:-
関連食材例:アセロラ、ケール、グァバ、のり、赤ピーマン
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(水溶性ビタミン), 209-265, 厚生労働省, 2020年, 77-108.
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
ビタミンA
推奨摂取量:
男性:1食あたり284μgRAE 以上
女性:1食あたり217μgRAE 以上
摂取量上限:1食あたり900μg 以下
関連食材例:
あん肝、スモークレバー(豚)
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(脂溶性ビタミン), 171-208, 厚生労働省, 2020年
※レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+β─カロテン(μg)×1/12+α─カロテン(μg)×1/24
ビタミンD
推奨摂取量:1食あたり2.9μg 以上
摂取量上限:1食あたり33μg 以下
関連食材例:
きくらげ、しらす干し、イワシ、ニシン、すじこ、あん肝
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-6ビタミン(脂溶性ビタミン), 171-208, 厚生労働省, 2020年
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
亜鉛
推奨摂取量:
男性:1食あたり4mg 以上
女性:1食あたり3mg 以上
摂取量上限:
男性:1食あたり13mg 以下
女性:1食あたり11mg 以下
関連食材例:
牡蠣、パプリカパウダー、カラスミ、ビーフジャーキー
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-7ミネラル, 311-373, 厚生労働省, 2020年
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
鉄
推奨摂取量:
男性:1食あたり2.5mg 以上
女性:1食あたり3.5mg 以上
摂取量上限:
男性:1食あたり16mg 以下
女性:1食あたり13mg 以下
関連食材例:
バジル、タイム、こんにゃく、青のり、ひじき
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-7ミネラル, 311-373, 厚生労働省, 2020年
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
銅
推奨摂取量:1食あたり0.3mg 以上
摂取量上限:1食あたり2mg 以下
関連食材例:
ホタルイカ、レバー、桜エビ、湯葉、ココア
🔻出典
健康局健康課栄養指導室, 日本人の食事摂取基準(2020年版):1-7ミネラル, 311-373, 厚生労働省, 2020年
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
減塩
推奨摂取量:ー
摂取量上限:1食あたり2g 以下
関連食材例:
塩、出汁、昆布茶、即席すまし汁
🔻出典
かるしおブックレット, ロシア国立予防医療科学研究センター,国立循環器病研究センター,2020年
*関連食材は、文部科学省「食品成分データベース」(2023年更新版)を参照
認定基準
推奨摂取量が男女で異なる場合は、いずれか低い方の基準を満たしていること
7カテゴリの栄養素(アミノ酸、ポリフェノール、不飽和脂肪酸、ビタミン類(水溶性、脂溶性)、ミネラル、食塩)のうち、2カテゴリ以上含まれていること。ただし、含まれるカテゴリ数によって認定度合いは変化します
各カテゴリに複数の栄養素がある場合は、1種類でも基準以上含まれていること(例えば、ミネラルは銅、亜鉛、鉄の3種類がありますが、銅の基準を満たしていれば充足とします)
監修
渡辺 恭良(理化学研究所 生命機能科学研究センター 名誉研究員、神戸大学 特命教授、大阪公立大学 名誉教授)
山本 万里(農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門)
服部 頼都(循環器病研究センター 認知症先制医療開発部特任部長)
山川 義徳(京都大学 特命教授、東京科学大学 特定教授、神戸大学 客員教授)
BHQレシピ事例
愛媛BHQ弁当
BHQレシピ第1弾は、エフエム愛媛によって開発された、和・洋・中の「愛媛BHQ弁当」です。脳の健康に向けて摂取が推奨される栄養素として、トリプトファンやn-3系多価不飽和脂肪酸が含まれており、かつ、真鯛や里芋、レモンといった、愛媛県の特産物を使用しています。順次、愛媛県内の直売所やスーパーなどで、販売予定です。
BHQレシピ開発・認定・PRまでの流れ
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